あと3日。

「返却期限超えてるので、気をつけてくださいね。」
返したのは、濃い桜色の表紙の本だった。


わたしがこの作家さんの存在を知った時のことは、今でもはっきり覚えている。
まだ新宿ルミネ2にもブックファーストが入っていて、
白い大きな本棚の小学館の文庫のコーナーの左下に、その作家さんの本は平積みになっていた。
ある本の帯にはチュートリアルの徳井さん、その横の本には宮粼あおいちゃんの帯がついていた。
作家さんの名前は知らないけれども、帯だけで読んでみたいと思う。
白色の表紙か黄色の表紙か…
迷いに迷って、そこでは買わなかった。
その後、三茶のTUTAYAで散々迷った挙句、
長編という理由で徳井さんの帯がついた白色の表紙の本を買った。
そして、キャロットタワーの下のドトールでこの本を開く。
ここまではっきり覚えているのも珍しいけれど、
人からの薦めで本を選ぶことが多いわたしが、自分で選んだ数少ない本だった。


その少し後『超ピース』でその作家さんの話題が出た。
何やら綾部さんが、教育テレビでやっていた太宰に関する番組*1をたまたま見たという。
そこに出ていた女性がそうで、綾部さんは又吉さんに「絶対好きだと思う。」と言い出す。
本好き又吉さんは、もちろんその作家さんを知っており、
客席に「知ってる方?」と聞いてみると、パラパラと手があがった。


その後、しばらくすると綾部さんの思惑通りか否か
『太宰ナイト』のゲストに名前があったり、又吉さんが帯を書いたり。


あっ繋がった。


今でも、この作家さんの本は読み続けている。
読み終わるといつも、生きていることが掛け替えのないものだと思えてくるから不思議だ。
有難いことに、その作家さんの話に耳を傾けることができる機会がまたやってきた。
西加奈子さん。
その横には、もちろん又吉さん。
そして、あの何色とも言い難い又吉さんと又吉さんの言葉を物語っているような
趣ある表紙の本がもう少しで手元にやってくる。


ウダウダ書きましたが、言いたいことは、
こんなん書くくらい手にするのも読むのも楽しみで仕方ないんだよ、バッキャロー!!!
ということです。

*1:『知る楽 女が愛した作家 太宰治