釜めしの蓋は閉めましょう

『又吉に聞く(存分)』

2020年7月12日(日)19時半~配信

バッファロー吾郎 A先生

しずる 村上さん

ゲスト:ピース 又吉さん

 

お友だちに教えてもらって、チケットを購入して見ることができました。

詳細な内容は書くことはできませんが、

感想を書きたくなるようなそんな気持ちを掻き立てられる配信でした。

何がって言うと、

だから、又吉さんが好きだったんだ

と今更ながら最初のころを思い出して、わーってわーってなったんです。

言葉が拙くてすみません。

 

配信を見ていて終始感じたのは、

表情がとても穏やかで優しい顔をしているなと。

ホストがこのお二人というのもあると思うのですが、

久しぶりに見た又吉さんはとても素敵に見えました。

 

この配信の中でとても印象深かったのが「釜めしの蓋の話」

A先生がハッシュタグに選ぶくらいなので、見ていた人のほとんどが

このエピソードが印象に残ったのではないでしょうか。

以前、お店の人に怒られたから注ぐたびに釜めしの蓋をしめるせきしろさん。

「又吉閉めないなって思ってたぞ。まだ若いからな、又吉は。」

蓋を閉めるという無意識にやっていそうなことですら

自意識の塊でもあるせきしろさんは自意識でやっている。

又吉さんが自意識10で表すと、又吉さんが4で、せきしろさんは10だと言います。

 

わたしが初めて読んだ又吉さんの文章は、このお二人の著書であるこちら。

 この本を読んで、自分とおんなじことを感じている人がいると思ったんです。

人に言ったら「気にしすぎ」と言われてしまいそうなことを言葉にしてくれて、

否定しない人がいることがとても心強かった。

そして、救われました。

それ以来、何度救われたことか分かりません。

 

わたしが初めて又吉さんを生で見たのはこの作品の発売記念イベントで

お友だちに連れられて向かった青山ブックセンターでした。

www.aoyamabc.jp

 その後、改めてこの本を手に取った空間もなぜか未だに鮮明に覚えています。

あの本屋のあの棚。

そこから、誘われたから行くのではなく、

行きたいという自分の意思を持ったのです。

それが2009年の夏でした。

 

だから、又吉さんがターニングポイントで2009年と言っていたのを聞いて

なんでしょう…ぶわーって感情がそこにタイムスリップしたようでした。

 

そして、又吉さんを話す上でもう一人欠かせない人物が相方の綾部さん。

綾部さんがキングオブコントトム・クルーズを演じるネタを

やりたがっていたと聞き、

それを夢見てNYに旅立ったのかしらと思ったりしました。

キングオブコント決勝で披露した「男爵とバケモノ」のネタは

二人の素の関係性も出ているという理由で選ばれたといいます。

「やさし~い」

そうバケモノが言うこのコントは、面白いのはもちろんのこと

本当に優しい世界でした。

このころは客席に芸人さんが座っていたのですが

テレビで見ていてドッと起こったその笑い声がすごく嬉しかったのを覚えています。

恋しくなって今見ても、やっぱり面白かった。

 

又吉さんは、好きなコントを聞かれ、

カリカのお二人のコントを選んでいましたが、

カリカや犬の心もみんな解散してしまっている現状。

ピースのコントが見たいです。

 

何だか綾部さんのスター気質を思い出し、とても懐かしく恋しくなりました。

いつ帰ってくるの綾部さん。

かなりの頑固者だという綾部さんのことなので、

きっとレッドカーペットを歩くまでは帰ってこないのかもしれませんが

インスタを見ると相変わらずNYにかぶれてオシャレに過ごしている姿に

綾部さんらしい気がして微笑ましいです。

 

綾部さんは又吉さんのネタを作る才能は認めていたようですが

その中からどのネタをやるか選ぶのは綾部さんだったようで

又吉さんが大好きな妖怪ネタは単独ライブでは2本までと決められていたそうです。

「そのフラストレーションを文章を書くお仕事で埋めていた。

 ピースとしてぶつからずにすんだ。」

と話していました。

それが『絶景雑技団』であったり『東京百景』であったりするのであれば、

ピースですべて又吉さんの希望がかなえられていたならば、

その風景は見えなかったのかもしれないなとも思うと、

不思議な気持ちになりました。

 

それにしても、A先生が

すっごく楽しそうに興味を持って話を聞いている姿がとても素敵でした。

村上さんは又吉さんにとても近い人なので

褒められて嬉しそうな姿を見ていて、見ているわたしも嬉しくなりました。

 

又吉さんのYouTubeチャンネル「渦」や公式LINEも開設され

身近にいろんな創作を見ることができて

コロナで制限された生活ではありますが、いい部分もあったのかなと思います。

でも、やっぱり生で見ることには敵わないんです。

エンターテインメントは不急かもしれないけれど、決して不要なものではない。

そう思います。

 

教えてくれたお友だちありがとう。

またいつかみんなで又吉さんを見て、おしゃべりできる

そんな日々が戻ってくることを願います。