光で照らされたモノ。

「宇宙に問う。君は誰だ。」


たこ八郎さんのノートに書かれていたという一文から始まった今回。
この言葉は、初めて聞いたとき衝撃を受けた。
価値観をひっくり返す…単に宇宙を擬人化してるだけでなく
自分が今どこに立ってるのか分からなくなるような言葉がすごい好きで
たこさんのノートの言葉を読みたいけど、どうしたらいいかわからない。
この言葉は番組で紹介されててメモった。こういう言葉に出会いたい。
言葉が好きだから、断片的にぐっとくる言葉に触れたくて詩集を読んでいる。
いつか自分でも変なことを…そういうものを…
お笑いのネタでもいいんですが、できたらいいなと思います。


○又吉書物語り「又吉本を読まない理由を考える」
もっと本の素晴らしさを知って欲しいけども、本を読まない人のほうが圧倒的に多い。
そこで本を読まない人の理由を又吉さんなりに解きほぐすことに。
・テレビやインターネットのほうが面白い
 ↓
テレビは色んなものを目で楽しむことができるけども、
本は書かれた文字から、自分で読んだ言葉から、完璧な映像をつくることができる。
本の中でが自分がキャスティングできる。ずれがない。自分のイメージで全てできる。
映画は2時間〜3時間終わらせないといけない。
本はそれが無制限で、一人の人間の一生を細かめに書いていける。
映画やドラマで飛ばさなきゃいけないとこも本なら詳しく書ける。
本だと、飛行機が飛んでいるところからいろんなことを思い浮かべて、
実際の飛行機の飛ぶ時間に合わせた時間の使い方ができる。
時間の使い方が、ばっちりはまる。表現の幅が広い。


・一冊一冊が高い
 ↓
これはねぇ安いです。
一冊この値段でこんなに情報えられるの?こんなに楽しいの?という。
図書館も古本屋もあり、安くて本を手に入れられる手段はある。
又吉さんの本棚をみたお客さんから、本を貸してほしいというお手紙を頂いたこともあり
そういう風に人から借りるという手段もある。


・本を読まないならごろっとしてたい
 ↓
ごろっとしたいというのは、脳を弛緩させたい、緩めたい。何に対する弛緩なのか。
汗をかいてのどを乾かして、水飲まなヤバイっていう極限状態での
水道水はめちゃめちゃうまい。
ぼーっとしたいそれがその人の普通からぼーっとするっていうのは人間の危機。
だからこそ、本を読んで緊張感を与えて、
そこからぼーっとするのもいいんじゃないかと。


本を読まないというのは、なんか好きなアーティスがは馬鹿にされてたりするのが寂しい
という気持ちに近い。



○本の達人 ゲスト小池昌代さん
●どのような詩の魅力を感じて書くようになったのか?
ぼんやり空を見たり、ぼーっとしている子だった。
この世の中には、なんか知らないけど詩があるなとぼんやり考えていて、
特定の詩を読んで書こうと思ったわけではなく
詩を感じて、詩があるなと思って書き始めた。
畳の上にほこりがまってて、光がすーっとさしてほこりがが見えたときに
この世界って詩的だなぁと思い、そういうことの世界に惹かれていって
詩っていう分野に関わりたいと思った。
詩の作品もあるんだって気付いて、最終的に言葉で詩をつくることになっていた。


目に見えてないっていうのがポイント。
普段見えないものが見えるのが面白かった。
詩は一種の働きだと思う。見えてないものを見させる…光みたいな。


●詩を書くときに気をつけてること。
準備運動があって…心のラジオ体操。一行目が出てくるまでが大変。
ぼんやり詩のこと考えて、周りの世界の空気が変わってきて、
詩を書くぞぉ〜詩を書くぞぉ〜っていう雰囲気になってきて。
自分を追いつめていかないと、なかなかいきなりは書けない。


小池さんは以前、同人誌をひとりでつくってた。
自分でカットを書いて詩を書いてゲストを読んでコピーしてホチキスでとめて…
ほそぼぞとやってるのが楽しくて仕方なかった。
その時に作った同人誌から詩を小池さんが朗読してくれる。
その詩はエッセイっぽい詩で、そのような随筆のようなものもあるし、
三文詩っていうのもある。両脇の詩らしい詩もある。
それを聞いて、
又「すごいわかったようで永遠にわからないような…」
小「書いて参加しないと分からないかもしれない。又吉さんには、ぜひ書いて欲しい。」
又「書くと距離が縮まることってありますよね。」


●詩はどうかけばいいのか?
小「自由律俳句はぽっとでてくる?」
又「出てきます。」
ポッと出てきたら次の一行連れてくるとして五行…
一行でてくるなら五行でてくる…五行書けたら十行書けるはず。
十行でたらあとはずらずら、自分の手が書いてくれる。
又「自分の心にあるよなものを出し切ったら終わりなんですか」
小「自分のこころなんて空っぽ。無になって始めた方がいい。
  ぼんやり書こうと思ってることがあるかもしれないけど、
  何かについて書こうというのをあんまり考えないほうがいい。
  面白いことを一個見つけたら、躓きの石みたいに使って書いていくだけ。」


●詩の技術的なところ。
擬音語が独特はどしたらいいのか?
今までにないもの自分の耳を新しくして、ぜひ発明して欲しい。
自分の聞こえるように書いて欲しいけど、意外にできない。
耳が既成になってしまってる。見えたように見てみる。
世界をフィルターかけて見てるから、外すのが大変。
又吉さんは「動物に優しい人は優しい」というのをすごく疑っていて、
そういう風に一回とっぱらってみる。
詩を書く前が一番大切。詩が育まれる時間。そこで何かが生まれてくる。


書いたら、もう一気書き。個性はほっといても出てくる。
若いころは影響だとか受けて、似たようなものになっちゃうこともあるけど、
年齢を重ねてくると取れてって、核が出てくる。


●小池さんの今後。
詩と小説を一緒にやってくのは結構しんどい。
中途半端にもなちゃって、でもやめられない。
詩書きたいんです。


小池さんの小説を読んだ又吉さんは
「幻想的な話だけじゃなくて、詩からスタートされてる方だからこそ
 書けるんじゃないかなと思った。リズムも独特で読んでて気持ち良い。」
小池さんはご自身の小説を「点が多くてリズムが違うので、読みにくい」
とも言われるらしいが又吉さんには読みやすいと聞き、
「又吉さんとリズムがあったんだ!嬉しい。」と話されていました。






小池さんがゲストの前編だけ書いたことが気持ち悪かったので、後編も残します。
小池さんはとても穏やかに話される方で、勝手に顔を思い描きつつ、
又吉さんと話しているのが楽しそうなのが伝わってきました。
わたしは対談やインタビューを読むのがすごく好きなので、
そういうものの書き起こしって楽しくてですね…
そんな仕事いいなぁと思います。


本から映像を浮かべるというのは舞台や漫才にも近いものがあるかなと思いました。
思い描ければ描けるほど、面白いというか…
大学時代に先生から聞いた話ですが、
片桐はいりさんはどんな舞台を観てもつまらないと思ったことがない方だそうで、
必ずどこかしら自分が面白いと思えるポイントを見つけるそうなんです。
それを聞いた時、すごいことだなぁと思いました。
だって、どうしたって合わないこともあるんです。
演技、表現だとかセリフ回しだとか客席の雰囲気だとか…
そもそも内容を理解できずに頭から湯気を出して、終わることもあります。
それを聞いてから、周りに流されない自分なりの楽しみ方での
観方ができればいいなぁと思っています。


文章に個性が出るというのは、どうやらそうみたい…と思うこともあり
それが、その人が書いている印というか。不思議なものです。
わたしは「詩」というものを、教科書に載っていたもの以外読んだことがなく
先日初めて本屋さんの詩集・句集のコーナーに行ってみました。
どれを読んでいいものかいまいち分からずで帰ってきてしまったので
小池さんの本を探してみようかと思いました。


このラジオを聴いていると、最初の一言で一気に引き込まれるので
又吉さんのライブのようだなと思いました。
このラジオだけではありませんが、残しておきたくなる言葉がたくさんあって
得るものも刺激もとても多い!と思うのですが、
水曜だとライブあったり、レディースデーだしと、
聞き忘れがちな要素が盛りだくさんなのが悲しいです…