洗脳の夜。

今回で8回目です。


又吉直樹主催
『実験の夜 Vol.8』


今回は、自分を命がけで守ってくれる後輩が欲しい
と思い始めたらしくある人物に目をつけたそう。
その人物とは後輩の「ネコニスズ」の山元さん。
以前、大阪で「ガスマスクガール」というコンビを組んでいて
その時に袖でネタを見たらとても面白かったそう。


その山元さんの現在の状況は…
ガスマスクガール」が解散し、
今東京で新しいコンビを組み頑張っていこうとしているところ。
東京へきたばかりで、まだ知り合いも友だちもあまりいないはず。
そこへきて、上京して彼女と別れてしまって傷心中だという。
そんな今だからこそ、山元さんを洗脳して
又吉さんを命をかけて守ってくれる後輩を育てようというのが今回の企画。


そこで、その洗脳をお手伝いしてくれる後輩たちを呼び込む。
あまり乗り気でない顔で登場したのは
ジュージーズ児玉さん、ライス関町さん、グランジ五明さんの3人。
仲のいい後輩ではあるが「命はかけてはくれへんよな」と聞かれ
「まぁ…」となってしまう正直な後輩たち。


今回の洗脳プログラムは8段階。
1 山元を褒める
2 又吉の凄さを教える
3 山元をウケさせる
4 山元を一度怒る
5 その後、優しく慰める
6 謎のハーブティを飲ます
7 最強のBGMを流す
8 ソルジャー山元の完成


このプログラム又吉さんだけの力ではできない。
2段階目で必要なのは後輩たちの力。
3段階目で必要なのは、お客さんの力が必要。
ということで、どんなことでも笑うように練習することに。
関町さんが変顔を披露するも、ややウケに終わる。


8・9段階あたりはかなりの怪しさ。
謎のハーブティを飲ませて、朦朧としてきたところに…
と言いながら7を捲る又吉さん。ざわつく客席。


そこで、今の山元さんの様子を見て見ようと
楽屋にいる山元さんをウォッチングすることに。
天をあおいだり、顔を覆ったり、指で机を叩いたりと
落ち着かない様子で、かなりの緊張がうかがえる。
これなら洗脳がうまくいくとみんなが確信してしまった瞬間でした。


じゃぁ始めましょうということで、もう一度仕切り直し。
「楽しい夜になりそうやなぁ!」とテンション高く盛り上がっているところに
山元さん呼びこまれる。
客席からは割れんばかりの拍手。
暖かい拍手で迎えられ、山元さんは安心したよう。
「大阪で見た時から面白いと思ってた。」と又吉さんに紹介され山元さん喜ぶ。
ここから褒め殺しがスタート。
(洗脳プログラム1)


又吉さんは普段こんな褒めない。
ごはん食べに行ってもお笑いの話ばかりの
ストイックな又吉さんからこんなこと言われるなんて凄い。
(洗脳プログラム2)


そんな山元さんの面白さを分かってもらおうと始まったのは
人間失格大喜利
色々な表紙で色んな出版社から出されている「人間失格」が運び出され
大喜利で又吉さんがいいと思った回答を出した人に一冊づつプレゼント。


又吉さんのお気に入りの表紙だという角川文庫の『人間失格』を見て

山元さんが「マリメッコ?」とボケると大ウケの劇場。
又吉さんに至っては、お題を置く台に掴まらないと
立っていられないくらいに大ウケ。


盛り上がる空気の中、大喜利スタート。
「動物がたくさんいるのに人気がない動物園。それはなぜ」
「月刊「教頭」今回の巻頭特集は?」などなど。
もちろん、山元さんの回答が大ウケの客席。
他のメンバーがどんなに対抗してもややウケする中、五明さん健闘する。
その結果、どのお題でも山元さんは『人間失格』を見事ゲットし、
「結局どれも同じ話しですよね。」と言われた又吉さんは
「解説が違うから違うものと認識していた。」と感心する。
(洗脳プログラム3)


山元さんの面白さに敵わないので、次の企画にいきましょうということで
続いての企画は「走って叩いてかぶってじゃんけんぽん」


客席後方にある通路でじゃんけんをし、
じゃんけん終わったらそのまま客席をダッシュして舞台に戻り、
舞台上のピコピコハンマーとヘルメットで身を守るか、頭を叩くか。
勝っても負けても早く舞台に着き、
勝てばハンマー、負ければヘルメットを取れた方が勝ちということでしょうか。


第一試合は児玉VS五明。
五明さんじゃんけんで勝ち、舞台にも先に到着し
児玉さんの頭をピコピコハンマーが変形するほどに叩いて勝利。
沸きあがる劇場。


第二試合は山元VS関町。
山元さんが勝ち、同じく舞台上にも早く戻り
五明さんと同じようにピコピコハンマーを大きくフリかぶり叩く。
先ほどのように大盛り上がりになるかと思いきや
関町さんが頭をかかえて倒れこんでいる。


どうやら、五明さんの叩き方と山元さんの叩き方は違う?
関町さんが起き上がらないことから、空気が徐々に凍っていく。


その様子を見ていて、フリかぶった時からおかしいと思ったと言いだす又吉さん。
その後、又吉さんからお笑いでやる強さじゃないと山元さんおしかりをうける。
児玉さんも同期が傷つけられたことに余程怒ったのか
声を荒げて「すいませんじゃねぇんだよ!」
(洗脳プログラム4)


しかし、その後…関町さんの首が弱かったんじゃないかという話しになり
結局は関町さんのせいということに。
又吉さんが怒ったのは、山元さんのことを本当に面白いと思って、
活躍してほしいし今後こんなことがあってはいけないという思いから
初対面で怒ったのだと優しくフォローする。
(洗脳プログラム5)


そして、トークしましょうと運ばれてきたのは
無限大で見慣れない白い2人がけのソファー。
山元さんはそこに独り座らせられ
「一番の後輩が座っていいんですか?」と恐縮する。


そして、東京の若手ライブではいつも出てくるというハーブティが登場。
五明さんに注いで貰い、山元さん一気に飲み干す。
すると…頭がふらつきだし、様子がおかしくなってきたよう。
(洗脳プログラム6)


その様子をみて、そっと舞台袖に消える児玉・関町・五明。
舞台の照明も暗くなり「意識が朦朧としてきた?」と山元さんに近づく又吉さん。

その姿を確認すると、又吉さんが指をパチンを鳴らし
最強のBGMのスタート。
「又吉は神だ。又吉は神だ、又吉は神だ…
 又吉がつくる世界。…」の永遠ループ
(洗脳プログラム7)


それに合わせて黒装束で登場し「又吉は神だ。」
と山元さんの周りを回り始める児玉・関町・五明の3名。
又吉さんに教祖的な棒を手渡す。


洗脳されてきてしまったのか、起き上がった山元さんの目の下は黒く
ついに山元さんも「又吉は神だ。」と言い始めてしまう。
洗脳できたかを確かめるため、
児玉さんが山元さんに挑むも見事に又吉さんを守り
「ソルジャー山元」が誕生した。
(洗脳プログラム8)


安心してみんなが去り、眠っている山元さんのもとへ
駆け込んできたのは相方の舘野さん。
「相方の舘野です!」と自己紹介し
何とか目を覚まさせようと、山元さんのほっぺを叩く、叩く。


舘野さんの力もあって、徐々に洗脳から目覚める山元さん。
「お客さんも洗脳されてるんだよ!
 オレらのネタで目をさまさせよう!」とネタを披露。


コント「コンビニ」


続いて漫才も!とサンパチマイクも持ってきて漫才をしていると
後ろの画面に又吉さんのド・ド・ドアップが映し出される。
そばかすまでくっきり。
漫才をやろうとするも又吉さんが目を見開いたりするドアップの顔で
「ボルト?ボルト?」などと言いジャマを入れてくる。
それでも続けようとしていると、爆発音が聞こえ
その音が洗脳がとけた合図だと分かり、安心する二人。



場面はかわり、舞台上に体育座りする又吉さんの姿。
そこへ、児玉・関町・五明がやってくる。
「ここにいると思いましたよ。」
どうやらいつも来るという河原に座っているよう。


本当は東京で活躍できるように
あの二人のことを思って、あんなことしたんですよね。
と聞かれるもはぐらかし行ってしまう又吉さん。
又吉さんが去ったあとには『後輩のそだてかた』という本が置かれたままに。
「やっぱりな…」という3人。
そこへ「ボール拾ってください」と子どもの声が聞こえる。
転がってきたボールを関町さんが拾い投げているフォームをし、
その様子をみて児玉さんと五明さんがほほ笑んでいる中、暗転。









蒲田行進曲が流れ始め、演者の皆さんの登場。
右へ、左へ、中央で挨拶をし、終了。


ということで、今回は又吉劇団でございました。
洗脳のくだりは打ち合わせがあったものの他はなかったので、
山元さんは大喜利でのウケは自分の力だと思い込んでいた。
「今日キテますわぁ」と嬉しそうに大喜利中に児玉さんに呟いてしまってたそう。
つくられていたと知ってショックをうける。
その大喜利でウケなくてもいいのにウケをねらっていたでしょ
と言われてしまう五明さん。
山元さんも五明さんがライバルだと思ったそう。


怒っている途中で児玉さんがいきなり怒鳴りだして、
ホントは笑っちゃいそうになっていた他のメンバー。
しかも、何言ってるか聞きとれないくらいだった。
又吉さんは怒りながら、あんま怒っちゃダメかなと思っていたところに
児玉さんが怒ってくれたので助かった。


山元さんは、本当に東京でのライブが本日が初めてだったようで。
ものすごくウケる東京にいい印象を持ってくれた。
もう東京にすみはじめているらしい。
又吉さんは今日が相方の舘野さんとは本当に初めてだったので、
「そのボーダーどこで買ったの?」と歩み寄ろうとするも
「そんな服着てる人がボーダーに興味あるはずない。」と
五明さんたちに言われてしまう。
又吉さんの本日の服装は、センター分けで
ナポレオン風の黒のジャケットにオレンジ色のTシャツ?
青の花柄の短パンに、赤い靴下、黒い靴でした。



「ネコニスズ」のお二人は
10月5日の無限大のライブから活動をスタートするそうですので
みなさんよろしくお願いいたしますとのことです。


最後に近づき、なぜかこのライブを続けることをやめようとする又吉さんが
今回も締めることにチャレンジ。
いつものように何度も締めるチャンスを逃しながら
気をつけてお帰りくださいと終了。
取り敢えず次回は10月23日とのことです。



今回も又吉さんの愛情がつまったライブでした。
わたし途中まで、又吉さんにがっつりだまされていました。
演技がみんな自然だな。
実験の成果が出ているのでしょうか。


そういえば、関町さんこのライブで初めて見たような気がします。
相変わらず、白くて可愛らしい。
児玉さんのシャツがいつもに増してダッルダル。
五明さんの全開じゃなくてもあの大喜利の面白さ。


後輩にきちんとネタを見せる機会を作ってくれるところや
面白いと思った人たちにきっかけとなる場所をつくってあげること。
確かに主催は又吉さんですが、主役はそのときどきで違います。
どの人にもそのチャンスがあるというのは素晴らしいことだなぁ。
「ネコニスズ」のお二人の活躍を楽しみに待ちたいと思います。
そして、このライブ続けてくれると有難いなと勝手ながら思いました。
席が指定になったのは、自由席での席取りがダメだからみたいですねぇ
今回スタッフさんが客席で声かけてました。
なるほど…


何より今回分かったことは、お客さんであるわたしは
すでに洗脳されてしまっているということでした。


本日も又吉さん、後輩の皆さま。
楽しい時間をありがとうございます。
そして、ここまで読んでくださり有難うございました。