映画館がいい。
『ゼロ・グラビティ』
観たほうがいいという声をいろいろ聞いて、いざ劇場へ。
これは、映画館で観た方がいいです。
というまんまな感想になってしまいました。
映画というよりアトラクション。
自分も完全にそこに入りきって見ていました。
観終って、頭クラクラ足元覚束ず。
そのくらいの体感力を持つ映画でした。
『言の葉の庭』(※ネタバレ含まれます…)
お友達が貸してくれました。
映画館で上映されている時に、こちらも観たほうがいいと言われたのに、観に行かずで、
やぁ観とけば良かったな…という。これも大画面で見たかった。
そのくらい、映像もとっても綺麗だし、音楽も素敵。
写真みたいという在り来たりな表現では表せないくらい、美しい映像でした。
わたしは新宿周辺をウロウロしている人間なので、
事細やかに描かれたその風景がとても愛おしくなりました。
全てに過剰さがなく、むしろ少ないくらいの表現でしたが、それがすごく良かったです。
その少ない中の台詞がまた良くて、
「空の匂いを連れてきてくれる雨は好きだ」
という冒頭の台詞に、まだそんな表現あるのかと思いながら、どんどん見入っていました。
独白が多く、心の声として発している声と、
言葉として発している声と交わる瞬間が何度かあって
その瞬間によってその言葉に込めた気持ちの強さが伝わってきました。
終盤のタカオの言葉は、自分に言われているみたいで、ハッとしながらも
そこから歩こうとするユキノを見て、自分自身も救われました。
そう「好き」じゃなくて「救われた」とユキノも言葉にしたことが、
この作品では意味を持つように感じました。
ラストも見るからのハッピーエンドではありませんでしたが、
未来を感じる終わりでした。
投げられたテニスボールが地上に戻ってくるシーンがあるのですが、
そのスピードと気持ちとがすごく綺麗にリンクしていて、
素晴らしいなぁと思いました。
ユキノがただの嫌味な女性に見えないように、その背景にあるディティールを細かく描いた
と監督が話していて、そういう点だったり、
靴職人さんの現場を見学に行って描いた細やかさや
光りの反射まで考えた顔の色だったり、
万葉集の歌の使い方や読んでいる本が夏目漱石の『行人』だったり、
色んな目線から、楽しむことができるんじゃないかと思いました。
秦くんのエンディングテーマ『Rain』がこれまた素敵と思っていたら、
大江千里さんのカバーでした。知らなかった。
40分くらいの短編なので、こちらももしよろしければ。
では、新宿御苑で会いましょう。