言葉に彩られた時間。

近頃の東京と同じくらい暖かい劇場でした。


又吉直樹主催
『実験の夜 Vol.13』




暗転した舞台に椅子が運ばれ、又吉さんが登場。
椅子に腰かけて「さよなら。さよなら。」から始まる朗読でスタート。
昔、お金を貸したもう会いたくない友人から届いた
「本を買った」という知らせから始まる物語。


朗読が終わると、いつものポップな音楽が流れて明るくなりスタート。
今回は「言葉」をテーマにした回になるとのこと。
「言葉」に敏感ということでゲストはしずる村上さんとライス関町さんの9期コンビ。


又吉さんが朗読する様子を舞台裏でスタッフさんたちと見ていた二人。
女性の舞台監督さんが又吉さんを見て「ちっちゃい」と言っていたらしい。
朗読後のあの空気から、いきなりポップな音楽が流れるという違和感が面白かった。


「言葉」がテーマということで「渋谷言葉倶楽部」を結成することにしたそう。
関町さん委員長に任命され、先ほどの空気もすべて責任は関町さんということに。
又吉さんはスーパーアドバイザーという、すべての権限を持っているらしい。
村上さんは、軍人。


○まずは「嫌いな言葉ベスト10」を発表。
ホワイトボードにベスト10が隠された状態で出てくるが
その隠しているシートの色など嫌いな言葉なのに色合いがポップですねと関町さん。


●10位 一生のお願い
そんな簡単に使う言葉じゃない。
「醤油取って。」「自分でとり。」「一生のお願い!」
自分の価値がそんなもんかと思ってしまう。


●9位 友だちやん
この言葉を言ったら、もうなんでもあり。


●8位? なかなかどうして
まず使い方がわからない。
村上さんはしずるのコントで「なかなかどうして」を言うことで
キャラクターを明確化させたことがある。


●7位? 変わったね
「変わったね。」と言われると、元の自分に戻ろうとするが
そこから戻ろうとすると、違う自分に戻ってしまう。
その繰り返しで、自分を見失ってしまうというう説明を手をグーにして
一生懸命話していました。


●6位? どこ向かってんの
これも「変わったね」と同じで、「どこ向かってんの」と言われると
自分を見失ってしまう。
吉祥寺でお茶をしていたら、
アジアを旅して帰ってきた友人を待っているグループがあった。
ワイワイしているところへ、カランコロンと入ってきたその友人は
頭にターバンを巻いて、丸眼鏡という風貌。
その話を聞いていた村上さんに、
そんな恰好の又吉さんに焼肉奢ってもらったことがあると言われてしまい
自分も話しつつ思い当たることがあると思っていたそう。
そして、仲間のところに近づいて片手パー、片手グーを合わせるポーズ。
「どこ向かってんの」と言いたくなる光景だった。


●5位? お前に会わせたいやつがおる
「初めて会った気がしない」「前に会ったことがある」も同じくくり。
関町さんは東京中に68人はいるから、会ったことがあって当然。
こっちは初対面で人見知り爆発させてる最中なのに、
そんなこと言われても。


●4位? せっかく楽しみにしてたのに
これ言ったら、すべてお終い。
わざわざ言うことではない。


●3位 整形だね
綺麗になりたいという気持ちはすごく愛せる。
だから、整形でもいいんじゃないかと。
歯の矯正だって、整形ともいえるから
どこが境界線かはその人次第ということになる。
整形を間違いさがしだと思っている人がいる。


●2位? 今日、調子いいね
褒めてるつもりかもしれないけど、自分が安心しいてるだけの言葉。
「今日」ってつけたらダメ。


●1位 飲むって噂〜♪飲むって噂〜♪
番組の打ち上げで居酒屋さんに行ったときに、隣の個室から聞こえてきた。
噂の部分の抑揚がアイドルの掛け声みたいに
うぅ〜わぁ〜さぁ〜!とかなりの抑揚がついている。


今回「嫌いな言葉」ということで挙げたけれども、
実は自分が言いがちだったり、口にしたくなる言葉だったりもする。
自分への戒めもある。


●綾部さんからの電話。
途中、綾部さんから言われた言葉の話が出てきました。
まだ又吉さんが寝ていた朝8時、綾部さんから電話がかかってきた。
電話に出ると「テレビつけて」と。
言われた通りにテレビをつけ、指定されたチャンネルを回すと
そこには大草原の映像が広がっていた。
何したいのかと思っていると綾部さんはこう言ったそう。
「これがおれの育った町だ」
今回嫌いな言葉を発表していたが、
綾部さんに言われたくない言葉なら別だということでした。


●ならではの一言。
JAZZのバイオリニストの方とのお仕事があった。
又「人生もJAZZみたいなもんですよね。」
綾「うるせーよ!」
バ「Good sound!」


又吉さんは男子校で、思うような学園生活が送れなかった。
続いては
○学園で言いたかった言葉ベスト5
今回は、この言いたい言葉を又吉さんが言えるシチエーションでお届けすることに。
学園が舞台ということで着替えが必要。
みんな着替えが必要なようですが全員一気に着替えるわけにいかず、
村上さんに「繋いでくださいよ〜」と言われ
又吉さん一人舞台に残されることに。
苦手なことを託され、ホワイトボードの脚にもたれる又吉さん。
学園ってくくりなんで、この言葉ですけど…
言葉だけで言えば「お母さん」って言葉も好きなんです。
と話していると、村上さんたちの着替えが終わり、交代。


「ちゃんと繋いで」と託された村上さん。
又吉さんの繋ぎ方の心配なんて吹き飛ばすような
あまりに滑らかでで高らかな「今日、遠くからきたよって方?」
とお客さんとコミュニケーションを取り始める。
札幌や鹿児島からいらっしゃった方も。
「一番近いぞって方」と聞くと、渋谷からいらっしゃった方がいらっしゃいました。


遅れて登場した関町さんに村上さん笑ってしまう。
左右のズボンの丈がそろってないことかと思いきや、
関町さんが履いている靴。村上さんが先ほどまで履いていた私物。
あまりの履き心地の良さに買い取りしようかと思っていたところだった。


と話していると、同じく学ランを着て、髪をふんわふんわさせながら又吉さんも登場。
鹿児島や札幌から来て下さった方もいると教えてもらい
「なかなかどうして、素晴らしいですね」


●第5位
何やら、学園祭の出し物を決めておらず焦る関町くんと村上くん。
色々な案を出すも、ほかのクラスの出し物と被ってしまうよう。
又吉くんも意見を聞かれるも、無言のまま。
結局、女装カフェに落ち着き、ロングの金髪のカツラをかぶって関町・村上の登場。
お客さんを呼び込んでいるも、なかなかうまくいかない。
そこへ、救世主とばかりにやってきた、黒髪おさげのカツラの又吉くんがやってくる。
「なんだ、来てくれたのか」と喜ぶ二人に対して
「そんなんじゃない。暇だったから」


1シチエーション終わるごとにスピッツの『空も飛べるはず』が流れる。
青春ですね。時代を感じます。


●第4位 
数か月ぶりに学校に登校した又吉くん。
そこへヤンキーな関町さんと村上さんが近づいてくる。
又吉くんに絡み殴るものの、
又吉くんは不思議そうに「全然、痛くない。」
何度も殴られるも、全く痛みを感じない又吉さんにおびえて逃げていく二人。
最後は又吉さんお決まりの大きな「ははは」という独特の笑い声。


村上さんによると又吉さんが正面から「全然痛くない」と近づいてくる様は、
とても恐ろしいものだったよう。



●第3位 
分厚い本を読んでいる関町くん。
この世界に救世主としいて現れる人物の風貌を読み上げていると…
又吉くんにそっくり。というかそのもの。
「これ、お前のことじゃない?」
と聞かれ、又吉くんの一言。
「その話、昔じいちゃんに聞いたことがある。」



●第2位 
進学校なのに、勉強もせず絵ばかり描いている又吉くん。
そんな生徒を持つ村上先生に「お前の顔なんかみたくない。出ていけ。」
ときつめに言われてしまう。その場を立ち去る又吉くん。
すると、そこへ関町校長がやってきて
「あんな生徒はすぐ辞めさせてしまえ。」と言い放つが、
村上先生は
「あいつは今、勉強か絵かを真剣に選ぶ時なんです。
 だから、チャンスを上げてください」と土下座。
そこにふらっと戻ってきてしまった又吉さんはその様子を目撃してしまう。
関町校長が去り、振り返った村上先生は又吉さんを見つけ、
またつっけんどんな態度をとってしまう。
しかし、村上先生の本心を知った又吉くんは
先生に「ありがとうございました!」


立ち去ってから、再び戻ってきて村上さんの様子を見てしまった時に、
見てはあかんと壁に向かって隠れるが恥ずかしかった。
思ったより村上さんとの距離もなく、困ったらしい。



●第1位 
合唱祭の「翼をください」の練習をする三人。
関町さんが最後に独唱のパートがあるようで緊張しいている。
しかし、唄っている途中緊張のあまり倒れしまう。
そこで、又吉さんが
「ゆきたい〜♪」
気持ち良かったのかその後も又吉さんの大きな歌声が。


又吉さんは、絶対こういうパートをもらえなかった。
今回「ゆきたい〜♪」と唄った場面は、
クラスメイトを助けることもできているし、素晴らしい。


終演の時間が近づくも、袖からフリップを持って登場。
最後に言葉を使った実験ということで
○「可愛い言葉に怖い言葉を足したらどうなるのか」
しかし、がっつりフリップネタの匂いをビンビンに嗅ぎ取った村上さんに
どうせ前回みたいにがっつりピンネタなんでしょ。
R-1出ようと強いてるでしょといじられる。
R-1は出ないそうです。


いちご→いちごおじさん
小鳥→小鳥を食べたワニ 
うさぎちゃん→うさぎちゃん鍋
マロニー→マロニーさん
ミニーマウス→ミニーマウスの残骸とおぼしきもの
などなど、結構なカワ怖い言葉が誕生しました。



終演の時間が近づき、夏ごろにはこのライブも
「どうしてなかなかの夜」ってタイトルになってるかもしれませんという又吉さん。
しかし「なかなかどうして」が逆になってしまっており
村上さんに可愛いと言われてしまう。


次回は、3月後半に予定されているので
無限大のHPでチェックしいてくださいとのことでした。
3/27(水)だそうです。



3月の予定があがっていなかったので、
もう実験に飽きたのか、はたまた実験する必要がなくなったのかなどと
勝手に今回で最終回なのかとぼんやり思っていたら…始まりからして違うと感じ、
エンディングで夏までやる気まんまんの又吉さんを見て、安心したようななんだか。
ここ最近はこのライブへの熱量をすごく感じるので、
大事な一時間なのかなと思って観ております。
そのせいか無駄な緊張をしたりしています。


又吉さんのライブは、説明なくお客さんの様子を伺うことさえせず、
今回みたいに一気のその世界に吸い込まれる瞬間があり、
その瞬間はゾクッとして、とても好きだったりします。
ラジオでも「言葉が好き」と言っているのを何度か聴いていたので
ついに!と思いました。


又吉さんの嫌いな言葉として挙げていたものは
わたしも結構使いがちだったりするので、
聞きながらドキっ!としたり、なるほどなぁと思ったり。
「なかなかどうして」は無駄に使いそうです…


村上さんは、今回は無邪気にとても楽しそうで、
フリップネタなんて、ものすごい楽しんでいるのが
見ているこちらにも伝わってきて、嬉しくなりました。
グレーのセットアップがすごい似合ってる。
思ったより大きいと言われがちな関町さんも
村上さんより言葉数は少ないもののしっかり切り込んでいて、
やっぱり関町さん見ると癒されます…


大好きな「言葉」で大いに遊んだ一時間でした。
又吉さんの話を聞くと、普段何気なく使っている言葉も
ハッとさせられることが多く、言葉を大事にしていきたいなと思いました。
「お母さん」という言葉が好きなんですってポロっと言っていたのが
結構印象的で、その話も聞いてみたいなと思いました。
又吉さん関町さん村上さん、今回も楽しい時間をありがとうございました。


今回は情報量がすごく多く、毎度のことながら
ほぼ間違っているんじゃないかという不安と闘っております。
なので、ゆんわり読んで頂ければ…
あわよくば楽しさや熱量が少しでも伝わればと思います。
そおして、もっときちんと素敵に書かれている方いらっしゃいますので、
そちらをお読みになってくださいませ〜


ゆるゆるというか少々雑な文章を失礼しました。
ありがとうございました〜