コントの夜。

だいぶ冷え込んできましたが、今回も有難くほかほかしてきました。



又吉直樹主催
『実験の夜 Vol.10』



シュっとした又吉さん登場。
ここ2週間くらい声が枯れてしまっているようで「枯れてますか?」と聞いてみると
「枯れてる〜!」と言ってくれる積極的なお客さんがお二人。
どうやら又吉さん人生2回目の声変わりを迎えてしまったらしい。


いつものようにこのライブの趣旨説明。
実験的なライブなので過度な期待はしないでくださいと。
今日は特に実験的な回になるようで、コントを2本見てもらいたいと思いますとのこと。


今日一緒にやってくれる人どうぞ〜と呼びこまれたのは
ジューシーズ児玉さんとライス関町さんのNSC9期の同期コンビ。
中須と遊ぼう!」以外は出ているという児玉さんと2回目の関町さん。


上下関係が厳しい吉本で児玉さんは又吉さんの4年後輩だけど、
仲良くなって、友達になって、今では若干児玉さんが上。
関町さんはこないだ結婚した。
その報告で夜中に関町さんから呼び出された又吉さんは
しばかれるんじゃないかと思い、思わず敬語で話してしまった。
と楽しく話していたが「みなさん怒ってますか?」「お茶会ですか?」
と本日のしっとりした客席に不安になり、前説をやってみようと元気よく出直す3人。
前説でよく見る「僕のこと知ってますか?」というくだりや拍手の練習などをして
恒例の「チャン!チャチャ!チャン!」でお寿司を食べる児玉さん。
3人が「実験のー」お客さんが「夜ー!」と言って温まった客席に安心したのも束の間、
又吉さんが「孫の発表会をみるようなつもりで…」と言い出し
せっかく盛り上げた客席を結局最初の雰囲気に戻してしまう。
そうこういいつつ、実験の夜スタートです!



●又吉さんからの手紙。
「着替えとか時間がかかるので僕がつなごうと思います。」
とスポットライトの中に登場した児玉さん。
又吉さんからの手紙を預かっているので読みますとのこと。


お客さんにお手紙を書くのは初めてです。
みなさんいろんな思いでそこに座っていると思いますが(来てくれて?)嬉しいです。
というような内容から突然「ヴィダルサスーン!」
言いたくなる言葉ってありますよねと。
その後、言いたくなる言葉が続き「サマンサタバサ」で案の定噛む児玉さん。
続いて「おじさんがぼったくりバーやってて…」と言いたくなる台詞が続くが、
客席の微妙な反応に児玉さんは書いた本人に「どうなってるの?」
というような表情を浮かべ、その度に袖を覗き込む。


●コント「留学生」又吉・関町
ディテールにこだわり、偏った情報を持つタイからの留学生のチャチャイ君。
チャチャイ君にかかると「ビックジャケットモンスター」になってしまうとある方。


●関町さんの発見。
結婚をツイッターで発表したその日は余程のニュースがなかったのか
「ライス関町結婚」とヤフーのトップページに載ってしまった。
しかも、ツイッターで添付した神保町花月で公演した時に着た
ウェディングドレス姿の関町さんの写真も添えられていた。
とても嬉しいことだけど、ヤフーのニュースには「そう思う・思わない」
とコメントがつけられるらしく、そこで見つけた面白かったものをいくつか紹介。
「誰ですか」
「見事に滑ってるね」
「中本工事がお嫁さんの格好して何が面白いのか」



●コント「ボランティア劇団」又吉・児玉
幼稚園にやってきた会社をリタイアした年配の穏やかで
物静かな二人がやっている劇団。
黒いマントを羽織り、はげ面の児玉さんとしわしわの又吉さん。
ところが、お芝居の幕が上がると
方や緑の全身タイツに葉っぱがついていて棒が体を突き抜けており、
その棒から繋がるもう一方は腕や頭、体の前面にビルを表した白い全身タイツ姿。
どうやら「森」と「街」を表現しているらしく、幼稚園児相手に
自然破壊をテーマにした前衛的な世界観ありすぎのお芝居を披露しはじめ、
あまりの雰囲気に泣きだす園児を「ガキ!」呼ばわり。
途中「緑」の全身タイツは森か山かの言い合いになり
お互い譲らず「森だ!」「山だ!」のみを連呼しつづける二人。
あまりに熱が入りすぎたのか、全身タイツに着いた葉っぱや窓が度々ひらひら舞う。
お芝居が終わると優しい穏やかなおじさんに戻るが、
子供たちへのプレゼントと差し出したのはスーパーの袋に入った破壊した森の枝。
そんな前衛劇団の次回のお芝居のテーマは「車社会とオゾン層の破壊」。


やっていた本人たちもとても楽しかったらしく
「森だ!」「山だ!」だけで一時間いけるらしい。


手芸部のブスの小噺
再び関町さん登場。
今までで一番しっくりしたあだ名は山ちゃんがつけてくれた「手芸部のブス」
あっちゃんとドラマで一緒になった時
山ちゃんが関町さんのことをよろしくと言ってくれていたようで、
現場であっちゃんは関町さんのことを「手芸部のブス」と呼んでくれていた。
どうやらそれを聞いていたスタッフさんも言いたくなったらしいが、
呼んでくれた名前は「ジュネーブのブス」。
聞き間違えでスイスのブスになってしまいました。


●アドリブコント
着替えが終わり、再び3人舞台へ。
設定とオチの台詞、配役をひき、それに合わせてコントを進行する。
設定「コンパの後」
エロい大学生:関町
面白くない大学生:児玉
童貞の大学生:又吉
オチの台詞「し・し・死んでる」


エロい大学生のはずの関町さんの言葉で、
チャラチャラした大学生たちは突如サスペンスの世界へ。
面白くない大学生、秀逸。


●又吉発案「コントジュークボックス」
手をあげたら音楽が流れ、それに合わせてコントを進行していき5曲目でまとめる。
設定「サッカー部の部室」
キャプテン:関町
女子マネージャー:児玉
退部したい部員:又吉


流れた5曲
『月光』
『?』忘れました…
ドリフのテーマ
We Will Rock You
夜空ノムコウ


退部しようとする又吉君より身体能力がありすぎる女子マネージャー。
なんと50m3.8秒。
又吉さんは話の流れから女子マネージャーは足が自分よりも早いので、
児玉さんが5秒台言えるようにと6秒台にしたのに
それをあっさり越えて3秒台とくるのが児玉らしいと。
やってみて分かったのは、フリを言ってから手を挙げて音楽をかけるのではなく
手を挙げて音楽かかってから流れを考えた方がいいということ。


途中、流れをつくろうと相撲を発案するも又吉さんに拒否られ地味にへこむ関町さん。
児玉さんの女の子が少し古い。けど、かわいい。
最近いつも着ているフラボアのオーバーオール。


今回コントだけのライブをやったことで、こういうライブいいですね。
またやりたいと楽しそうな3人。
また他のみんなも集めてやりたいね。そういうライブありましたよね。
絶景雑技団。またやりたいと。
まだ(絶景雑技団)ありますよね?あります!と嬉しい話を聞きました。
無限大ホールには、面白い人がたくさん出ているので見に来てください。
と締められず、いつものように話続けていると
巻きでしめてくださいとカンペが出たよう。
「寒くなってきましたが、どうかお元気で…また来てください。」と終了。
次回は12月19日(水)とのことです。


慣れない指定席にポツンと座って、しかも隣がずっと空いていたりしたので、
わたしは無駄に不安を抱えてぼんやりしていたら開演。
一人は慣れているはずなんですがね…
客席もいつも以上にしっとり静かだったような気がします。
開場中の曲のせいでしょうか…
又吉さん少し痩せすぎなような気もして、
わたしが心配することじゃありませんが少し心配です。
でも、なんだか色っぽくも感じました。


客電も消えて、しっかりとしたコントを2本贅沢に充分に堪能。
あんだけしっかりとつくらていたので、
やっぱりコントもお笑いも好きなんだなぁとしみじみ。
それを実感することが多いライブです。
2本目は「WORLD」にも近いものを感じました。


「面白くない大学生」で発揮してた児玉さんの動きや繰り出す言葉は、
相変わらず素晴らしくてこの人に光が当たらない世の中なんてないはずだ
とよく分からないことやライスのシチサンの企画が素晴らしかったことを
思い出しました。
わたしは関町さんが舞台からさがるとき、
きちんとお礼をする姿にいつも「いい育て方をされて…」と思ってしまうのです。
阿佐ヶ谷ロフトでもそうだったので、きっといいお父さんになると思います。



「絶景雑技団」すんごく見たいです。
あのライブは、出ている人も、コントも、雰囲気もすべてよかったです。
テーマは「絶景」なものだから、余計。
もひとつ言うなら…ルミネタ見ても思いましたが、ピースのコントも見たいですよ。
ねぇ綾部さん。


この日、始まる前にぼんやりすーなか出るかなぁと思っていたので、
きっとわたしは久しぶりにすーなかさんが見たいようです。
あの笑顔で空気を一変させる凄いすーなか。お元気ですか。


今夜はブギーバック』がブリッジで流れ
「ダンスフロアに」とあの声が聴こえてきたら、
きゅん!と気持ちを持っていかれました。名曲です。
前々回の実験の時、この曲が入ったアルバム聞きながら、
夜の代々木公園の横あたりをぶらぶらしてきたので、その光景に引き戻されました。
そう思うと、音楽って凄いです。


又吉さんがコントジュークボックスの説明のあたりで「僕」を連呼していて、にやにや。
又吉さんのライブのお客さんは、笑う時はドッと笑って、しっかり話を聞く
と以前誰かが話していたのを実感した温かい客席にいれてほくほく。


又吉さん、児玉さん、関町さん。
楽しい時間を今回もありがとうございました。
また、コントがいろんな場面で見れる日が来ることを願って。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。