マニアックナイト。

震えながら取った『太宰ナイト』行ってきました。
開場中の音楽は『走れメロス』の朗読。


又吉さん一人で登場。
又吉さんが太宰を好きになったきっかけなどを一人で話す。
学生時代、勉強は嫌いだったけど
国語の教科書の匂いを嗅いで、読むのが大好きだった。
そこに載っていたのが太宰。


又吉さんと太宰の不思議な縁。
又吉さんが上京して初めて住んだ家が太宰が住んでいたところと同じ場所。
付き合っていた彼女の名前がミチコさん。
ファーストキスの日が太宰の命日。
三鷹に引っ越して初めていったお寺が禅林寺などなど。


池袋に前世を見てくれる占いがあり、
「太宰と言われてしまう…これからその十字架を背負って…」と覚悟していくと、
又吉さんの前世は「バッタ」。



本日も「桜桃忌」の行われている三鷹禅林寺にお参りに行ったそう。
すると、一人の男の子が近づいてきて白い紙を出してきた。
サインかなと思い自分のペンを出したら、彼がその紙に自分の名前を書いた。
作家になるので名前を忘れないで下さいと。
昨年も又吉さんのお陰で太宰を好きになりましたと
男の子に声をかけられたことが嬉しかった。


そこで、違う男性にも声を掛けられ、
師匠がいるので会って下さいと言われ紹介されたら女性の方。
師匠が女性なんだと思っていたら、良く聞いたところ「市長」だった。
何かやりましょうと名刺を貰ったそうです。


又吉「桜」
客席「桃」
又吉「忌〜」
という掛け声をみんなで言ってみる。
裏で聞いていた五明さんは、この掛け声にびっくり。
30分くらい話そうかと思っていたが、僕の声を聞いてると眠くなりませんかと
15分くらいでゲストを呼びこんでしまう又吉さん。



第一部 太宰を語る。
又吉、せきしろ、木村、マスコット グランジ五明(以下敬称略)

マスコットの五明さん呼び出すのを忘れる。
五明さんは分からない人代表ということで色々突っ込んでくれます。


お薦めの作品を紹介。
●又吉さん『黄金風景』『桜桃』 
『黄金風景』を読んで、自分も同じような経験をしたことがあると思った。
『黄金風景』に限らず、太宰の作品を読んでいると、
自分のことを書いてくれていると思う。
自分だけが気にしていて勝手に嫌われていると思っていた人。
相手は本当はそんなことを思っておらず、
むしろ好意的に思ってくれていると知る。
その景色を「黄金」と言ってしまうのが太宰らしい。
『黄金風景』は4頁くらいの短編なので、すぐ読むことができるそうです。


『黄金風景』を軸に考えていた時期があり、そこから絶景雑技団が生まれた。


先日、大阪の番組で又吉さんの休日に密着という企画があり、
好きなことしていいですよと言われ「斜陽館」に行ってきたそうです。
太宰好きと色んなところで言っているので、
その場に行ったら、何て思われているのだろう…と行く前は不安だった。
けれど、斜陽館につくとみなさん温かく迎えてくれた。
又吉さんが好きな作品で『富嶽百景』を挙げているのを見た斜陽館の方が
この人は本当に太宰が好きなんだと感じたそう。
『富獄百景』は又吉さんが本当に一番好きな作品。


あのイベントやってるんですよねぇ『マニアックナイト』。
『太宰ナイト』のことが言いたいらしい。


斜陽館の離れにいる白川さんと言う方が凄い。
物凄いお喋りのうまいガイドの方で、又吉さんがその離れに行くと、
「僕より詳しい人が来ちゃいました〜」と言われてしまった。
離れの中にあり実際に太宰が座ったとされるソファに座ると、
必ず太宰はどっち向いていたと思いますかと聞かれるらしい。


せきしろさんは、そんな風に付いてまわられるのが苦手。
斜陽館に行った時は、白川さんが他のお客さんにいったところで
じっくり堪能。


太宰は著作権が切れているので青森には色んな名称がある。
太宰ロード、走れメロス号などがあるらしい。



又吉さんは『桜桃』を読んでいて、最後泣きそうになってしまう。
自分がもし太宰のそばにいたならば、
太宰に桜桃を持って帰らせることができたのにと思う。
この作品をカフェで読んでいて泣きそうになったので、前髪で隠した。


せきしろさん『帰去来』『故郷』
『帰去来』には、故郷のあるあるがたくさん詰まっている。
地元に帰ると、なまりが分からなくなってしまっている。
せきしろさん曰く、地元の北海道は色がない。
親族にはせきしろさんが東京で何をしているか分かって貰えず、
ずっとたけし軍団に入っていると思われていた。
バッファローの木村さんと同い年で、
渋谷の公園通り劇場で一緒にイベントをやっていたりした。
しかし、以前箕輪さんとニュースになった時に
作家という職業があると知って貰った。


倒れた母親に「この子の成長を見てやってください」という台詞。
ここで照れくさくと入っているのが大事。
すんなりこの台詞を言えてしまう人が出てくる作品には共感できない。
又吉さんと以前、絶対言わない台詞を話合ったことがある。
「どすこい。」とかは言わないだろう。


又吉さんも本を読むのが好きなので、色々な作品を読むが
自分とは違う性格の人が出てくると共感できないなと思って読み終える。


今日は自分が太宰が一番好きだと言おうと思ってきたが、
せきしろさんは本を2冊しか持ってこなかった。
又吉さんや木村さんは、机の上にたくさん本が積まれていました。
又吉さんは木村さんの本を2冊購入。
1冊は自分で読む用。もう1冊は人に貸す用だとか。


せきしろさんは待ち合わせで6時となっていても遅刻する。
本当は30分前からその辺りをウロウロしてるのに、遅刻する。
何故なら、その方がかっこいいから。


待ち合わせが西口だとしても、ウロウロするのは東口。
見つかって、ものすごくやる気満々だと思われたくない。


今日せきしろさんがコンビニで印刷しようと思ったら1件目はコピー機が故障中。
しかし何もせず出てしまうと万引きされたと思われるのではないかと
思ってしまうせきしろさんは、わたしは何も取ってませんという身ぶりをして退店。
一番、職業的にも性格的にも太宰に近いと言われていました。



●木村さん『懶惰の歌留多(ランダのカルタ)』
もう1冊紹介する予定が時間がなくなってしまい、
こんな本をということで、太宰が女性言葉で書いた作品を読んでみてくださいと。


『懶惰の歌留多』は、読んでいると一向にカルタの話題は出てこず
書けないという言いワケを書いている作品。


突然カルタが始まり「ろ 牢屋は暗い」と出てきたりする。
又吉さんと木村さんでこの辺りが面白いという話題で盛り上がる。
五明さんぼんやり。


しかし太宰は毎日何時から何時は執筆と時間を決めている真面目な人。
書けない書けないと書いてはいるが、実際この作品は前身になる作品もあり、
きちんと準備された上で書かれた作品だった。



太宰検定にも関わっている木村さんから問題を出してもらい、
「ブーっ!」と結構大きめにお客さんの前で言われ少し凹む又吉さん。
「ブーっ」ていう木村さんは可愛かったです。




話の中で破天荒じゃないのに破天荒を装っている…
ということは、ノブコブ吉村さんじゃないかという話題があがる。


又吉さんは一緒に話をするなら4人が限界。
4人だったら、どの人が今どんな気持ちかが把握できる。
しかし、本日の楽屋。
又吉さん、せきしろさん、木村さん、五明さんだった。
太宰話で盛りあがる又吉、せきしろ、木村の3名。
一人ぼっちの五明さん。
居たたまれなくなった五明さんは、トイレに長居してしまったらしい。
「なんであの時助けてくれなかったんですか?」と五明さんに聞かれ
「五明には自由で居て欲しい…」と答える又吉さん。


五明さんが太宰で盛り上がる3人を見て
理解できずに困っている顔を見ているのも何だか楽しかったです。



第二部 太宰治名言を浴びる会。
又吉、せきしろ、木村、五明
又吉さんが選んだ太宰名言をスクリーンに映し出し、みんなで観賞。
以前又吉さんがやっていた『名言を浴びる会』みたいな感じです。


ー死のうと思っていた。
 今年の正月、よそから着物一反もらった。
 お年玉としてである。着物の布地は麻であった。
 鼠色の細かい縞目が織り込まれていた。
 これは夏に着る着物であろう。
 夏まで生きていようと思った。
『葉』


ー生きてゆくから、叱らないでください。
狂言の神』


ー私は心の王者だと、一瞬思った。
『善蔵を思う』


ー人間三百六十五日、
 何の心配も無い日が、一日、いや半日あったら、
 それは仕合せな人間です。
ヴィヨンの妻


ー生きるといふ事は、たいへんな事だ。
 あちこちから鎖がからまってゐて、少しでも動くと、血が噴き出す。
『桜桃』


などなど…だった…と思います。


第三部 太宰シンポジウム。
司会 又吉
せきしろ、木村、五明、しずる村上、ハリセンボン箕輪、パンサー向井


五明さんを始め、後輩芸人の皆さんは
又吉さんから見て太宰を後々好きになりそうなメンバー。
箕輪さんは「太宰仲間」と紹介され、太宰は良くても仲間は拒否。
向井さんは少し声が枯れていました…大丈夫でしょうか。


又吉さんや木村さんは気にしすぎで、カレーの具を買うのも恥ずかしい。
じゃがいも、人参、玉葱、お肉、ルーを買ってしまうと
この人カレーなんだと思われてしまうのでシチューのルーも買って惑わせる。


議題1「太宰がもしお笑い芸人だったら、どんなコンビ名を組むか。」
村上さん案 結局一番シンプルにコンビ同士の名字をとって
「須藤太宰」

五明さん案 太宰のことを一番分かっている人と組むのが一番
「白川太宰」

きっとダサいラインをいくのではないかという事で採用されたのが
せきしろさん案「東京ブルズ」


ピースというコンビ名は、全てをそぎ取ったあとのコンビ名。
綾部さんと又吉さんで考えたコンビ名を出しあったところで、全くかぶらない。
綾部さんは「AJ」という謎のコンビ名を提出。
何の略なのかとみんな疑問。あやべゆうじの最初と最後をとったのか。
又吉さんは「AYABE JAPAN」の略じゃないかと。

「ナンバーピース」という案もあったがお洒落すぎて却下。


「ハリセンボン」というコンビ名は、
「ん」がコンビ名についていた方がいいとう近藤さんの案から、
二人で「ん」がついた単語を出しあった中から選んだ。


議題2「太宰のギャグを考えよう」

中々手が上がらない皆さん。
これは大喜利ではない。思い出を作ろうと徐々に回答が出てきました。


箕輪さん案 両目をWピースを挟んで「太宰ビーム」
せきしろさん案 滑った時のギャグ「OH〜さむ!」



太宰の写真で一番よく見る顎に手をついている写真が
スクリーンに大きく映し出される。
見ているうちに何度も吸い込まれそうになる又吉さん。
向井さんに呼び止められ無事生還。


その写真が、かの有名な又吉さんの待ち受け。
この時、何を考えているのか。
いつも見る度、何を思うんですかと聞かれた又吉さんは、
「何見てんねん」と言われていると思うらしい。


○太宰グッズじゃんけん大会。
今回は、桜桃忌Tシャツ、太宰カルタ、太宰切手、
太宰検定本+クリアファイル、太宰しおり、箸入れメロス(割り箸)。


じゃんけんは、恒例箕輪さんが担当。
その後、五明さんがじゃんけんすると
五明さんはお客さん全員に勝ってしまいました…
今回は勝った方がグッズを貰えます。


しかし、グッズの配り方がいまいち分からない又吉さん。
1番に勝たれた方には迷わずTシャツをあげ、
次の方には何にしますか?と選択できるようになったりとふわふわ。
仕方ありません、そこら辺はいつも綾部さんの担当。


最後は

舞台上「お〜」
客 席「と〜」
みんな「き〜!」で手を挙げる。
「きー」「きー」「き―」で一度やってみようかという又吉さんの案はすぐに却下。


皆さんが下がった舞台上のスクリーンには、


元気で行こう。
絶望するな。
では、失敬。
津軽


そんなわけでマニアックナイトならぬ太宰ナイト終了。


やぁ木村さんは凄いです。
何を聞いてもほぼ答えてくれます。
太宰を勉強するために、大学院にも入り直したという。
というか太宰好きの女性は昨年の西さんにしろ綺麗な方が多い…


開場を待って並んでいるところにミルククラウンのお二人が通ったのですが、
舞台には登場せず。残念。


又吉さんも楽しそう。
「(太宰は)打ち上げとか苦手なんですかねぇ」という問いに
「打ち上げ嫌い」と自分の気持ちを答えてしまう又吉さんがいたり、
みんなに話をきちんとふる姿が見られたり…


やはり同じ考えを共有できるということは素晴らしいことなんですよね。
又吉さんせきしろさん木村さんは何回も「分かる分かる」となっていました。


わたしも昨年参加し、以前より太宰を読む機会が増えたことも事実です。
早速、文庫をまた買ってしまいました…
そんなきっかけを貰えただけでも、有難いばかりです。


濃厚な時間を有難うございました。
また、行けるように頑張ります。
毎度ながらぼんやりした記録ですみません。
ありがとうございました!